ブルーノ・ムナーリが「こどもの心」と呼ぶものは

神奈川県立近代美術館 葉山館『ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ』展へ。

ブルーノ・ムナーリ氏の作品を前にして製作時の思考のプロセスを想像すると、彼はけっこうぐずぐずと考え続けていたのではないかという節がある。それなのにアウトプットはシンプルでチャーミングなところに着地していて、気持ちの強さを感じてすごく良かったです。

自分の中にあるイメージやことばの力で目の前のものをけっして置換しないこと、そこにあるものをそのままのかたちとして受け取ること、その存在がなぜそのようにあるのかを目を凝らして知ろうとすること。ブルーノ・ムナーリが「こどもの心」呼ぶものは、そういう真摯さみたいなことなのかなと思った。

おとなになっても「こどもの心をもちつづけるということ」は、世のことわりを無視することや、無邪気さを装って自分の世界観を無自覚に振り回すことではないのだろうな。

自分が無知であることを知り、無知であるが故にまだ知ることができると信じること。けっして自分の世界だけで世の中を規定しない慎重な姿勢を保ち、自分の発見をそのままの形でだれかにおすそわけできる術を考えることから逃げないタフさ/やさしさを持つことが「こどもの心をもちつづけ」ることに近付けるのかな。そうとう努力が必要だけど、そうありたいなと思うのであった。

「ムナーリの機械」と「木をかこう」を購入。後者の翻訳は須賀敦子なのだと知った。

会期終了ギリギリ、すべりこみで行ったけど、葉山館はやっぱりロケーションがさいこう。行って良かったです。イサム・ノグチの「こけし」があいかわらずかわいい。

ムナーリの機械

  • 著者/訳者:ブルーノ・ムナーリ
  • 出版社:河出書房新社( 2018-04-16 )
  • 単行本:32 ページ
  • ISBN-10 : 4309279163
  • ISBN-13 : 9784309279169

木をかこう (至光社国際版絵本)

  • 著者/訳者:ブルーノ・ムナーリ
  • 出版社:至光社( 1982-01-01 )
  • 単行本:85 ページ
  • ISBN-10 : 4783401322
  • ISBN-13 : 9784783401322

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