マッチ箱みたいな豚バラは

野毛山のキクヤカレーに来ました。豚バラカレーのスリランカ風をください。はい、お待ちください。豚バラ。スリランカではブタ、好まれてるのかな。へえモルジブ・フィッシュ、ダシをとったりする鰹節みたいなやつ、そういう『うまみ』がスリランカにはあるのだなとWikipediaを眺めながら思う。

はい、どうぞ。

マッチ箱みたいに大きくカットされた豚バラはカレースープをたっぷり含んでホロホロで、歯を立てる前にふんわり溶けてしまった。

あれだな、食感、豆腐みたい。いや豆腐じゃねえよ豚バラだって言ってんだろとすぐに了見が狭いほうのぼくがツッコむ。

サラサラのスープをゆっくりと味わいふむスパイシー、これがスリランカ……みたいにさも解ったような顔をして。いまここにある確かなものは店主による「スリランカ風」という文字のみ。ぼくが獲得した言葉はこれっぽっちもない。スリランカ風をスリランカたらしめている魂のようなものもの、ベンヤミンが言うところのアウラ、一番初めに必要なのは本質への眼差しではないのか。

はい、もぐもぐ、おっしゃるとおり。しかしながらぼくは今とてもうまいカレーを食べていると自覚しており、またぼくはおいしいカレーをつくるこのお店のことを信じていて、つまりこの時点で、ここにあるのはぼくにとって完璧な豚バラカレーのスリランカ風なのであった。サラダ付き大盛り無料1050円。横浜市立中央図書館のすぐ近くだよ。美味しいから、機会があったらきっと食べてね。

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