そういえば『明るい部屋』で

蜷川実花展の感想のつづき。

そういえば、ロラン・バルトは『明るい部屋』で、写真の本質を《それはかつてあった》という「実在との結びつき」にあると述べていたっけ。

シャッターを切られた「それ」は、もうない。存在は時と共に失われてしまい、印画紙だけが残る。写真は時間の原義を突きつけてくる。

ぼくが(作品の良し悪しとは完全に別次元で)居心地悪いと思ってしまうのは、写されたものが「確かにそこにあった」と感じられる写真なのかもしれない。時間が不可逆だってこと、そんなの知ってるし。でも向き合うなんていやだよという気持ちなのかもな、と思った。

明るい部屋―写真についての覚書

  • 著者/訳者:ロラン バルト
  • 出版社:みすず書房( 1997-06-07 )
  • 単行本:157 ページ
  • ISBN-10 : 4622049058
  • ISBN-13 : 9784622049050

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