岐阜でルドンを。

岐阜県美術館のオディロン・ルドン展へ。コレクション展なのでそう点数は多くないのだけど、ピエール・ボナールやエドゥアール・ヴュイヤールなどの人物を題材にしたリトグラフが10点ほどと、ボードレール『悪の華』からインスピレーションを受けた版画集、油絵やパステルの大きめな作品が4点等、岐阜県美術館が収集してきたルドン作品がまとめて見られる企画展でした。

チケットが専用のものになっていて可愛かったよ。

ペインティングの作品では描写している物体とそのまわりに存在する空気の間隔をキャンバス上に広くとって、観念的な色味を乗せることで気配を定着させようとしているかのような印象が残った。ルドンは幻想的と言われることが多いけれど、それはディティールを「描かない」ことによって生まれるイメージなのかな、と思う。

ところで、各地の公立美術館にそれぞれ思っていた以上の個性があることに気付いてから旅先で美術館に寄ることが楽しくなった話してもいいですか。

その土地ゆかりの作家による作品の保存に加え公立美術館ごとに収集方針があるのはみなさんご存じかと思うが、たとえば静岡県美術館は「風景画」「ロダンと近代彫刻」、山梨県立美術館は「ミレー」、滋賀県立美術館は2020年のリニューアルオープンを機に「アール・ブリュット」を収集・展示の柱に据えるなど、けっこうなんでもアリな様子。

そもそも岐阜県美術館がルドンを集めているということも、ぼくは実際に足を運んで見なければ知り得なかった。評価の定まった作品を地域のことを考えながら収集している公立美術館のポリシーみたいなものに触れるのは楽しいし、アートが社会にどう扱われているのか、どう存在していくのかみたいなことを考えるなんとなくのとっかかりにもなる気がする。タイミングが合えばこれからもいろんなところで寄ってみたいなと思うのだった。

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