横浜F・マリノス13番、小林祐三

まじかー、パンゾーまじすかーという気分。横浜F・マリノスの右サイドバック、パンゾーこと小林祐三が来期の契約非更新を発表した。静岡学園高校から柏レイソルに入団、センターバックからサイドバックに転身した金髪のディフェンダーは2011年に横浜F・マリノスに加入すると、不動のスタメンとして試合に出続けた。

ぼくは初めて買ったオーセンティックユニフォームに「13番」をプリントした。小林祐三の番号だ。ぼくの記憶の中の日産スタジアムには、右サイドを守る13番が常にいる。

小林祐三は対人守備にめっぽう強い。対戦相手のウィンガーを彼が抑え込むシーンを、ぼくは何度も目撃した。相手チームのストライカーでもドリブラーでもスピードスターでも、小林祐三と相対する左サイドを主戦場とする彼らは、なんとなく仕事ができぬまま試合が終わる。ぼくは「さすがだぜ小林祐三」みたいなことを何度も何度も言うことになる。一番興奮したのは2014年のACL、広州恒大戦だろうか。左サイドをスピードで蹂躙するムリキを完璧なポジショニングでがっちりと抑え込んだ。350万ドルで広州恒大が獲得したブラジル人選手を完全に沈黙させた!ぼくらのパンゾーは世界に通用する!その後、まさかムリキがFC東京に来ることになるとは思いもよらなかったんだけど。

攻撃面ではバランスを見ながらタイミングよくオーバーラップできる気の利く選手という印象。攻撃力が圧倒的に低いマリノスにあって、困ったときに繰り出される小林祐三の中央へのヌルヌルしたドリブルが場面を打開する助けにどれだけなったことか。一方で、クロスの精度はいまいちだ(とぼくは思う)。ただ、なんだそれー!というクロスを上げた直後に得点に直結するどんぴしゃのボールを蹴ったりするので気が抜けない。結果、パンゾーがオフェンスでボールを持つ度に期待しながら見ることになる。そういうところが個人的には大好きだった。

また、音楽を愛しアニメについて語る姿も印象深い。彼のTwitterにサッカーの話題はほとんどない。ぼくの印象では、フェスとDJ、それにガンダムの話ばかりだ。仕事は当然きっちりこなし、それ以外の好きなことも自分のペースでちゃんとやる。楽しそうに生きている様子が、ぼくにはとても好ましく見えた。

彼はとにかく理詰めで考える。コメントがいちいち理屈っぽくて、ぼくはそこも好きだった。プレーもかくありなん。彼の動きには、理屈を積み上げた先に見えてくる合理的な判断の積み重ねなんだろうなと感じさせる割り切りがあり、プロとしての適正ってこういう角度のものもあるんだなと感じ入ったものだった。

そんな彼が契約を更新しなかったのだから、きっと考えがあってのことなのだろう。そう信じたい。若返りを計り、スピードある縦への崩しを標榜する現監督エリクのサッカー観と、小林祐三の考えるサイドバック像の間に乖離があったのかどうかは、ぼくには分からない。でも、ぼくはパンゾーの守備が圧倒的に好きだった。相手ウィンガーが下がりながら守るパンゾーを前にパスも出せず、ドリブル突破も出来ず、サイドラインに沈んでいくところを見るのが最高だった。彼が右サイドにいるサッカーを、同じユニフォームを着て応援できたのは幸せであった。敵になるのは本当にいやだけど、彼のサッカー選手としてのキャリアが今後も実り多きものになりますように。拝。

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