肩こり

頭痛を覚え仕事の合間に軽く首のストレッチをしたところ、肩が急に悲鳴を上げ始めた。多分ふつうに肩こりなのだが、バキバキに凝った首が身を挺して密かに守り続けてきた疲労かと思うと、永久凍土に眠っていたマンモスが地球温暖化の影響で見つかったみたいでおもしろい。週末に向かうにつれ溜まりゆく体の疲れに今は気付けるがメチャクチャに働いていた時にはそんなのまったく感じませんでしたね逆に毎日クタクタでーみたいな話で、実は存在しているが比較的穏やかな何かはより強度の高い何かに内包されちゃって気付けないね、と言った理屈である。幾多の歌手により繰り返し歌われてきた「ひとときの幸運に惑わされたぼくたちは毎日の小さな幸せに気付けなくなっていたね」論法にぼくもとうとう気付いてしまった。いわんや「毎日の小さな幸せ」を感じるべく丁寧な暮らしを目指すには強度の高いものとは距離を置くことが肝要でありパーティーの誘いは断り日光を浴びず美味しいものは避け興奮を引き出す文化は拒絶、海底の貝のように生きて肩こりを抱えたまま真実を知るポップスターは穏やかな笑みを浮かべながら死に、彼の歌だけが残った。

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